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2007年11月

The Tree―杜

Treekashii02 「The Tree―香椎の杜」

P30Y アクリル 2004年制作

子どもの頃、空や林や小路や小川…いたるところに神様がいた。

興味を惹かれる不思議な出来事が、沢山あった。

だんだんと、天を見上げたり、林に足を踏み入れたり、小川の音に耳を傾けたり…そういうことをしなくなってしまった。

いったいそれが、いつ頃からなのか…。そんなことも解らなくなるほど、歳をとってしまった。大人らしい大人になるのは、とても残念なことだと思う。

漫画を読んで、絵やストーリーが良く描けていると思うことはあっても、その作品から小川の音や風の匂いが伝わってくるものは、そうはない。

漆原友紀の漫画からは、いつも音や匂いが伝わってくる。ひと時、神様のいた頃を思い出すことが出来る、そんな漫画だ。

蟲師 8 (8) (アフタヌーンKC) Book 蟲師 8 (8) (アフタヌーンKC)

著者:漆原 友紀
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幸せのブタ

Pigplaster_3 「The Happy Pig」

182×225㎝ 1988年制作

Mixed Mediums Releif Painting

中島らも

平成16年7月26日未明、脳挫傷・外傷性脳内出血腫のため死去。52才。

今泉憲治

平成17年3月22日未明、くも膜下出血のため死去。51才。

大好きなものが 二つもなくなって とてもさみしい。

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著者:中島 らも
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どすこい大相撲―後姿

Sumoubackbond02 「どすこい大相撲―後姿」

79.0×64.5㎝  1989年制作

Mixed Mediums Painting (ミクスト・メディウムズ・ペインティング)

千秋楽まであと少し。チカラビトと入れ替わりに、本格的な冬の到来となるこの街。

星の勘定で“やきやき”してきたら…京極夏彦氏の抱腹絶倒パロディー本を片手に、日本茶を啜るのも良いかも。

このところ笑いに縁遠いワ…という方は是非どうぞ。

どすこい(仮) Book どすこい(仮)

著者:京極 夏彦
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どすこい大相撲―東

Sumoubond01 「どすこい―東」

79.0×64.5㎝  1989年制作

Mixed Mediums Painting (ミクスト・メディウムズ・ペインティング)

バス停や地下鉄の構内で、ちらほらと力士の姿を見かけるようになると、この街にもいよいよ冬がやって来るのだな、と思う。

乃南アサは著書『チカラビトの国―乃南アサの大相撲探検』の「あとがきによせて」の中で以下の様に語っている。

『…古来チカラビトと呼ばれた力士たち…(中略)…人間には実に様々な生き方があるものである。信じて、選んだ道を貫ける人は幸せだ。そして、そんな人たちは等しく独特の穏やかさや透徹した眼差しを身につけている。チカラビトの国には、そんな人がたくさんいる。 

彼らはある意味で職人である。職人だから多くを語らない。だが、チカラビトを支えるために、愚直なまでに歩み続けることが、いかに貴重な、かけがえのないものであるかを、彼らは身をもって教えてくれた。』

チカラビトが初心に立ち返り、彼らの国を崩壊させずにいてくれることを、願ってやまない。

チカラビトの国―乃南アサの大相撲探検 (新潮文庫) Book チカラビトの国―乃南アサの大相撲探検 (新潮文庫)

著者:乃南 アサ
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象の災難―鎮魂

Elehamsam  「Elephant Accident―鎮魂」

85×33×20㎝  2002年制作

FUTON Painting (フトン・ペインティング)

「死」にもいろいろな形がある。

自分の死について、常に心にとめ、すぐ側にあるものとして考えることがあるだろうか。

ある日突然、予期せぬ出来事によって、帰らぬ人となる「死」もあれば、肉体という器に期限がつけられ、確実に近付いてくる死の足音に恐怖しながら、いつかは受容せざるをえない「死」もある。

今泉憲治の遺作を観るたびに、奥山貴宏という作家の名前を思い出すたびに

今を生きるということと、その先に必ず待っている死について、真摯に考えずにはいられない。

ヴァニシングポイント

ヴァニシングポイント

著者:奥山 貴宏

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象の災難 2003

Kenbipaintele 「Elephant Accident―象の災難」

235.0×187.0㎝ 2003年制作

福岡県立美術館コレクション

今泉憲治は「もし人間以外のものになれるなら、象になりたい」と言い、その姿を追い続け「生への憧れのイメージ」として、カンバスに閉じ込めてきた。

恩田陸は「象って怖いですよね」と言い、その姿を「恐怖や死のイメージ」として、言葉の中に閉じ込めている。

古くは「きさ」と呼ばれ、人間と共に様々な時代を生き抜いてきた「象」。

その摩訶不思議な動物に対して抱く感情は、十人十色のようだ。

41ncmz0k13l_aa240_象と耳鳴り―推理小説 (祥伝社文庫)

著者:恩田 陸

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象の災難 2002

Ajibiele 「Elephant Accident―象の災難」

in AJIBI HALL(福岡アジア美術館ホール) 2002年制作

FUTON Painting(フトン・ペインティング)

1984年。村上春樹の世界において、象は<象工場>でつくられ、主人公『僕』の手によって水増しされながら、その個体数を維持していた。

2002年。今泉憲治の世界において、象は人間に狩られ追い立てられながら、消滅へのカウントダウンを始めた。

そして…2007年現在。象は様々な災難に見舞われながらも、今のところまだ地球上に存在し、愛すべき動物として人間と共存している。

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 Book 「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

著者:村上 春樹
販売元:新潮社
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