The Tree―庭の木
F6号 2004年制作
始めは直径20センチ、高さ2メートル程の幼木だった。
風や雨…容赦ない自然の力に鍛えられ、じっくりじっくり、その地に根を伸ばし、今では大きな立ち木となった。
木の名は「アメリカフウ(アメリカもみじ)」
春に新芽を出し、夏には大きな葉を枝いっぱいに広げ、庭に大きな木陰を作る。
秋に見事な紅葉で人目を引いて、冬には丸裸になって、渡り鳥の休憩所となる。
木は美しい。彼らは大地と繋がり、大地は地球において、森羅万象の命の源となる。
画家、今泉憲治が急逝してから、もうじき三年。
大地に返った感想を聞いてみたいのだが、残念ながら肉体という器がなくなった今、人として対話をすることは、未来永劫、叶えられない願いとなった。
今泉が好きだったピアニスト、舘野泉さんは病気を見事に克服し、『左手のピアニスト』として、今もなお多くの人々に、音楽を通じて感動を与え続けている。
アメリカフウを眺めながら、館野泉さんの繊細で、透き通るような美しいピアノの音色を思い出し、失ってしまったものと、生き続けるものなどについて、ちょっとセンチに考えてみたりする。
冬は思考が後ろ向きになって、どうもいけない。早く春が来ますように。
フィンランド・ピアノ名曲集 樅の木op.75-5(シベリウス) おすすめの一曲
フィンランド・ピアノ名曲集 アーティスト:舘野泉 | |
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