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人間のかたち

Man09 「人間のかたち」

102×65.0cm 1996年制作

Mixed Mediums on Shaped Cardbord

数ヶ月に一度、強烈な頭痛に襲われる。

頭に針が刺さったまま取れないのだ。

鎮痛薬を服薬するが効果はなく、頭を持ち上げれば眩暈と吐き気に襲われ、身動きがとれなくなる。じっと横になり、頭痛が去るのを忍耐強く待つしかない。

脳外科の受診も効果はなく、器質的な問題もない。いわゆる片頭痛とよばれるものだ。

頭痛の前には必ず「予感」というものがある。偏頭痛を持病とする人間なら、症状の現れ方に多少の差はあっても、大抵はこの「予感」を体験しているだろう。そして、その痛みの辛さも同じように「ああ、あれは辛い」と、自身の痛みを重ね合わせて感じることが出来るだろう。

頭痛の間は、痛みのために熟睡することも出来ない。ただじっと横になったまま、色んなことを考える。例えば「痛み」についてなんかだ。

「痛み」の感じ方は個々によって違う。医者に痛みを訴えてみたところで、いま自分が味わっている痛みを感じ取ってもらえることは、なかなか出来ない。

手を握り合ったり、お互いに『電脳ヘルメット』みたいなモノを被るだけで、こちらの痛みが相手にそのまま伝わるような、優れた能力や道具はないものだろうかと、頭痛のたびに思わずにはいられないのだが「そんなものがあったら医者のなり手がなくなるだろう」と、友人の失笑をかってしまった。

他人になかなか理解されにくいものは、肉体の痛みだけではない。心の痛みも同様である。

信じられないことだが、生まれながらにして「心や身体の痛み」というものを理解する能力が欠如している人間が存在するという。『精神病質者―サイコパス』と呼ばれる者たちだ。

厄介な持病の頭痛は、長くても5日程で、何もなかったように去っていく。体力が著しく落ちていて怠さだけが残る体で、本箱をあさる。

10年前に目を通したきりの埃だらけの本を手に取り、今泉が描きたかった「人間のかたち」の本質は何だったのだろう…などについて考えてみる。

本の名前は『診断名―サイコパス』 

精神病質チェックリストを開発した心理学博士、ロバート・D・ヘア著の心理ノンフィクション。

診断名サイコパス 診断名サイコパス

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