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PTERANODON―恐竜

Mon04 「PTERANODON」

61×73㎝ 1987年制作

Bond Work(ボンド・ワーク) Mixed Mediums on Card Board

花散らしの雨が、通り沿いの歩道を、あっという間に桜色の絨毯に変えてしまった。

『一番美しいとき』を捉まえるのは、なかなか難しい。

恐竜シリーズは、今泉が芸術家としての自信に満ち溢れていた時期の作品で、この頃が彼にとって『いばん美しいとき』だったのかもしれない。

さて、人間が放つ匂いの『一番美しいとき』を、一生涯閉じ込めて、自分の手元に置いておきたいという欲望に駆られた青年グルヌイユ。

『香水ーある人殺しの物語』の主人公であるこの青年は、少女たちの匂いを収集するために連続殺人を犯し、その匂いを独自の方法で閉じ込めていきます。

『パフューム』という題名で、映画が話題になったけれど、原作も全世界1500万部という大ベストセラーとなりました。

映画のように、ヒロインを追い詰めるといったようなサスペンス仕立ての場面はなく、匂いを採取するための対象物を殺すときには、ただ後頭部を一撃するという簡単な描写のみ。

世界観が全て匂いによって支配されている、一人の人間の生い立ちと精神世界を描いた物語で、当時のフランスの時代背景や、香水調合に関する知識がある程度あれば、映画とは違った楽しみかたのできる文学作品ではないかと思います。

匂いにしか感情を抱けず、それによって生かされてきた主人公が、自分が愛した匂いのごとく最後には跡形もなく消えてなくなる…という結末が、皮肉たっぷりで面白かった。

Book 香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

著者:パトリック ジュースキント
販売元:文藝春秋
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