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2009年1月

アンコウ―anglerfish

Bond01アンコウ―anglerfish』

60.0×73.0㎝  1990年制作

Bond Work Mixed Mediums on Card Board

インフルエンザ大暴れ。

おかげさまで一週間、母子で自宅に閉じ込められ、天井に付いた水滴にカビが生えるほどのムンムンの加湿状態の家の中、水族館の魚よろしく暮らしておりました。

来週から、水槽を出てウィルスうようよの人間界へ復帰。

手元に残った『水族館』シリーズの魚たちも、この『アンコウ』で最後となりました。

行き先のわからない、記憶にはあるのだけれど見当たらない魚たちが何点か…彼らが元気でいてくれることを祈りながら『水族館』シリーズもようやく【完】となりました。

水族館…閉館。

(楽しみだった『蟲師』も最終巻になってしまいました。さみしい)

蟲師 10 (10) (アフタヌーンKC)

著者:漆原 友紀

蟲師 10 (10) (アフタヌーンKC)

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ウィング・フィッシュ―wing fish

Bond02 ウィング・フィッシュ―wing fish』

60.0×73.0㎝  1990年制作

Bond Work Mixed Mediums on Card Board

いつも手元においている、ボロボロの文庫が一冊。

丁寧に開かなくては、索引のページなどはもう、本体からはらりと抜け落ちそうな状態にある。

入手したのは12年前。以後、大切な情報源としてずっと手元においていて、「ええと、あれれ?」と思うたびに本を手に取る。

昔、子どもらがまだ、とても小さかった頃、庭のフェンスに『美男葛(ビナンカズラ)』と『屁糞葛(ヘクソカズラ)』が群生していて、秋になるとどちらも一斉に結実し、これらの実は子どもらの恰好のおままごとの道具となった。

ビナンカズラの雌株がつける実は大変美しく、目の覚めるような鮮やかな赤い実が、おいしそうな果物よろしく房になって蔓にぶら下がる。ヘクソカズラは、『屁・糞』カズラというだけあって、強烈な臭いを放つが、これもまた可愛らしい黄褐色の実をつけ、子どもらにとっては魅力的な遊びの材料となる。

さて、ある日、小さな子らが我が家の庭に集まって、いつものようにおままごとに熱中している姿を何気なく見ていたら…彼らは砂場用の小さなバケツに水を張り、その中にビナンカズラの実をもぎっては浮かべ、楽しそうにバケツの中を覗いていた。

「きれ~ね~!きれ~!」と喜んでいるうちは微笑ましくて良かったのだが…中の一人が突然に「おいしそ~!」と、赤い実の美しさに食欲を刺激され、バケツの実を掴んでパクンと食べてしまったのだ。

「ぎゃーっ!!」…と絶叫し、母が庭に飛び出して行ったのは言うまでもない…

しかし、こちらが子どもに食べたものを吐かせる前に、「ブベッ!!」と子ども自ら、その実を吐き出してしまった。大変苦くて、とても食べられたシロモノではなかったようだ。

ホッとしたのも束の間、違う子が「くちゃい(臭い)、くちゃい~」と、嬉しそうにへクソカズラの実をグチュグチュに手で握りつぶして、楽しそうにその汁をあちらこちらに塗りたくっている。

…生きた心地がしなかった…

正体(成分)のわからないものを、体内に取り込んだり皮膚に塗り込んだり…まだニ年ちょっとしか生きてない子らの人体に、一体どんな影響が出るのだろうか。

植物の汁に触らないこと、口に入れないこと、厳しく注意を与えてドキドキしながら子どもらの様子を見守り、夕方、何事もなさそうなのを確認してからそれぞれの親元へ返し、その足で本屋へ直行。

そこで手に入れたのが、このボロボロになった大切な文庫『薬草・毒草300プラス20』(朝日新聞社編)である。

ビナンカズラは『小枝を水に漬けると、皮に含まれた粘液でとろりとした液となり、昔はこれでちょんまげのくせ毛をなおしたことから美男葛(びなんかずら)の名が生まれたという…中略…果実を採集して日干しにしたものを南五味子(なんごみし)と呼び、保健、咳止めに一日量500グラムを煎用するが、苦味が強いので砂糖などで調味する』とのこと。

ヘクソカズラは『秋から冬にかけて目立つ果実は、つぶすと黄色い果汁が出て、しもやけによい。市販のハンドクリームに混ぜて患部に塗布しておくとにおいも気にならない』とのことであった。

ほっと一安心。

無知であることは、大切な機会を逃し、生活圏を狭めてしまうのだなと実感。無駄な禁止をせずに済んだはずのところを、無知から来る恐怖で、わたしは遊びを中断させてしまった訳だ。もちろん、苦い実を食べて吐き出した子は、実践で知識を得ているわけだが、それがなぜ食べられなかったのかを知ること、そこから先がとても大切なのだと思う。

ひと昔前なら、ご老人たちがニコニコしながら「そりゃ、良薬は口に苦しで、別に悪かもんやない」などと知恵を授けてくれることもあったろうが、現在は、ご老人たちも仕事に習い事に旅行に…と大変多忙で、のんびりと先人の知恵を授けるゆとりなどなさそうである。

健康で長寿であるというのはあり難いことだけれど、時間の流れがいつも何かしらせかせかしていて、残念に感じることも多い。

薬用植物も、扱い方や摂取量によっては毒草になりうることを忘れずに。何でもほどほどに…がよろしいようで。

薬草毒草300プラス20  /朝日新聞社/編 [本] 薬草毒草300プラス20 /朝日新聞社/編 [本]
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水玉魚―polka dot fish

Bond03『水玉魚―polka dot fish』

60.0×73.0㎝  1990年制作

Bond Work Mixed Mediums on Card Board

「現代美術家にできることは、もう、精神論で勝負すること以外に残っていない」

というのが、今泉の口癖だった。そして、それが今泉の最も苦手とすることでもあった。

どんなに新しい技法を求めても、それらは皆、実は先人が残した絵画の軌跡を辿るだけにすぎないことに気付き、自分は何も生み出していないことを知る。

カンバスに一本の平行線を引き、『未来―現在―過去』というタイトルをつける。後は、その主題について、如何に鑑賞者をうならせる饒舌な舌(精神論)が備わっているか…というのが、現代美術家の魅力となる。

今泉は、「僕が現代美術家として成功することはまずない」と言っていた。

「絵を描くのが好きで、自己満足のために描いているものに、上っ面だけの精神論をつけても、ただそれだけのものでしかないことは、作品を見ればすぐに解るだろう」

そう言いながら描き続けた作品は300点以上にのぼり、アトリエの中にぎゅう詰めにされた遺作だけが残った。

2007年に亡くなった美術史家、若桑みどり氏は自著の『絵画を読む イコノロジー入門』の中で現代美術について、

「(近・現代美術では)芸術が非常に個人的になっただけではなく、ときには、意図的に『意味』を拒否する作品も生じてくる……そのような主題をもたない作品の解釈や現代美術の理解には、知覚的心理学や精神分析学を含めた、イメージと人間の精神との関連について、また、イメージの表現方法の様々な局面についての多面的で深い洞察力が必要になる」

と述べている。この本自体は16,17世紀の西欧美術について書かれているものであるが、絵画鑑賞を趣味とする人には、貴重な「目から鱗!絵画鑑賞法会得!」的な読み応えのある内容が沢山書かれていて、大変面白いのではないかと思う。

さて…今泉の話に戻るが、50代に突入した彼の口癖は

「自然の法則に従えば、家族の中で一番先に死ぬのは僕だ。僕は芸術家として大成する口ではないが、子供たちが僕が描いてきた作品とその過程をずっと心に留め置いてくれたなら、個人的にはそれで成功だったと思う」

と言うものだった。2年後に急逝した彼の、これが遺言となってしまった。

遺言を守るため、ブログ上で遺作整理を始めてまもなく1年。

残念ながら『多面的で深い洞察力』が備わっていない身としては、ただ遺作を一枚ずつ整理することしかできないのだが、いつか遺作を全て整理し終える日がきたときに、そこに『絵を描くことに取り付かれた一人の人間の人生』を垣間見ることができたら…

そう思うと、両肩に乗っかった様々な困難を払いのけて、もうちょっと生きることに立ち向かってみようかなぁ、と考えたりする2009年の始まりであります。

絵画を読む―イコノロジー入門 (NHKブックス)

絵画を読む―イコノロジー入門 (NHKブックス)

著者:若桑 みどり

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ハリセンボン―porcupinefish

Bond04 『ハリセンボン―porcupinefish』

73.0×60.0㎝  1990年制作

Bond Work(ボンド・ワーク) Mixed Mediums on Card Board

娘、10歳。

巷で囁かれる、いわゆる『ギャング・エイジ』という、大変やっかいな年齢を横行闊歩中。

あれが気に食わん、これが気に食わん!

あれが許せん、これが許せん!

あれは黒だよねと母が言えば、いいやあれは絶対に白だと答えが返ってくる…

答えるついでに、ハリセンボンも顔負けの膨れ面に、鋭いトゲで母を刺し、兄を刺し…

しかし、そんな娘も、土曜日の午後は大変聞き分けが良く、しおらしい。

母の機嫌を損ねると、毎週末のお楽しみである『土曜日の午後の本屋さん』へ連れて行ってもらえないからだ。

この腹立たしいギャング娘は、実は大変計算高い暴れん坊将軍なのでもありました。

お目当ての本は『青い鳥文庫』コーナー。

色々なシリーズで、児童の心を鷲掴み(?)の『青い鳥文庫』だが、娘が凝っているシリーズは…

「うへ。やめようよー、それ」

と、ついつい口を出してしまいたくなる内容のもの。

宮沢賢治に太宰治といった名作シリーズから、宮部みゆきといった現代小説まで揃っているんだからさ…ね、それは、やめとこうよ…。

と、言いたくなるのをぐっとこらえて、娘の差し出す本を抱えてレジに並び、この瞬間にしか、良い子ぶった可愛らしい態度をみせない詐欺師の娘に、黙って騙されてやることにしている。

ギャング・エイジの暴れん坊を、こうまで大人しくさせてしまうとは…

恐るべし、『青い鳥文庫』…で、あります。

『泣いちゃいそうだよ』シリーズは、進研ゼミに連載されていたものらしく、大人気シリーズなんだとか…

(ワタクシ未だに、山積みの『泣いちゃいそうだよ』シリーズに一度も手をつけず、他所の母友から聞きました。ヾ(_ _*)ハンセイ・・・)

泣いちゃいそうだよ (青い鳥文庫) Book 泣いちゃいそうだよ (青い鳥文庫)

著者:小林 深雪
販売元:講談社
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