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Crazy Monster ― 地球を撫でるL

Mon15_5 『Crazy Monster

― 地球を撫でるL』

65.0×79.0cm 1992年制作

Mixed Mediums Painting

この作品を見ると、いつも何故だか、『でんでん太鼓』を連想してしまう。

当時、作家は、環境破壊をおこなう人間をモンスターに例え、その尖った爪で地球を鷲掴みにし、地球を粉々に砕いていくイメージを、この作品の中で表現しようと試みていた。

……にも拘らず、この作品は、いまも変わらず、わたしの中では、『でんでん太鼓』のままである。

― トントン、トントン.、トントン

『でんでん太鼓』の可愛らしい音に、幼子が歓喜の声をあげ、「もっとふって、もっとふって」と、しきりに甘えて、せがんでいる声が聞こえるような、そんな気持ちにさせられる。

……なぜだろう。

ある新聞記者は、「環境破壊を続ける人間の愚行に、警鐘を鳴らす作品たち」と、このシリーズのことを、そう語った。

ある鑑賞者は、「モンスターたちのパワーに圧倒されるばかりだ」と、作品から受ける迫力について、そう感想を語っていた。

それらの話を聞きながら、依然として、幼子の歓喜の声が聞こえるような感覚から抜け出せないわたしに、ある友人が言った。

「これ、可愛いねー。見てたら楽しくなるよねー」

それを聞いて、なんだか、とても心が軽くなった気がした。

― ああ、そうか。共通感覚というものは、絶対的でなくても構わないのだ。

と、そう思ったからだ。

皆と同じ社会で暮らしていると、その中で生まれる共通感覚から少しでもそれると、非常識を指摘されているような、ちょっとした困惑に陥ることがある。

同じ世界に存在していても、もともと、心の住んでいる場所が違うのか、育った環境で心の枝の伸び方が違ってしまうのか……その辺の理由については、わからない。

ただひとつ…… 誰かを傷つけたり、何かを否定することに固執したり、そんなことさえしなければ、自分の感情は、唯一何ものにも縛られない自由を持っているのだということを、この作品から学んだような気がする。

大変自由で何物にも支配されなかった、大好きだった作家(故)中島らも氏。どうしても欲しかった一冊が、ようやく手に入りました。めちゃくちゃな発想だけれど、「コレで良いのだ」的な生き方に、毎回あんぐりしながらも、拍手。……亡くなられてから、もうすぐ5年。惜しい人をなくしたもんだなぁ~。

啓蒙かまぼこ新聞

啓蒙かまぼこ新聞

著者:中島 らも

啓蒙かまぼこ新聞

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コメント

でんでん太鼓に見えますね。
人間はでんでん太鼓のように繰り返す、、、、、

環境を破壊し続けるモンスターかもしれません?

でんでん太鼓で遊ぶ無邪気な幼子のような
純粋さがあれば環境破壊も無くなると思います。

追伸
勿論okokです。

投稿: パンダ | 2009年9月16日 (水) 22時41分

すっごい・・・いい文章だなぁ・・・。
受け売りではない、「自分の言葉」なんだなぁ・・・。

投稿: maru | 2009年9月17日 (木) 01時22分

私は、千手観音のような闘牛に! 笑

絵や文学も、人によって感じかたが違って、当たり前ですよね。

新聞とかの批評家さんのご意見で、先入観で見てしまわれる人も多いけど、子供は難しい批評なんて分からないから、そのまま言ってくれるので、凄く面白い。 時に隣にいて恥をかく事も・・笑

らもさん、楽しく、真面目で、面白い人でした。 けど悩んでた~ 笑

投稿: 555 | 2009年9月17日 (木) 12時42分

five555さま

いや~、やっぱり555さんだ(*^-^)

>千手観音のような闘牛

作家が生きてたら、お酒のみに誘われたな絶対 (笑)
(こういう面白い感想を聞くと、大喜びして相手をつかんで離さない、子どものような人でしたんで……)

らも氏。。。酔っ払って階段落ちで急逝ってのが、らも氏らしくて訃報を聞いた時には、「ああ、やっぱり、らもさんだわΣ(`0´*)」と、不謹慎にも感心してしまったわたしです(汗)

投稿: 芸術を愛するブタ | 2009年9月17日 (木) 21時46分

penパンダさん

パソコン直ってよかったです。
パンダ節で、日々元気付けられてるんで(* ̄ー ̄*)

パンダさんも『でんでん太鼓』に見えます?
うふふふー。
なんか嬉しいです~(やっぱり?って感じかなsmile

投稿: 芸術を愛するブタ | 2009年9月17日 (木) 21時50分

fullmoonmaruさん

こんばんは o(_ _)oペコッ

maruさん。
あなたは、いったい、どこから遊びに来られたのでしょう……。

いろいろ想像しながら、maruさんマークを満月fullmoonに決めちゃいました。

ここは、街灯だらけで、夜になっても暗闇が訪れない、国道沿いの団地です。
星はほとんど見えません。
でも、お月様なら、高層建物の間から、ちょこっとお顔が覗けます(*゚ー゚*)


投稿: 芸術を愛するブタ | 2009年9月17日 (木) 22時00分

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