カテゴリー「藝大卒業制作」の1件の投稿

心景

Geidai 『心 景』

13.6×200.0㎝(三部作) 1979年制作

東京藝術大学卒業制作

Egg Tempera,Acrylic on Canvas

卒業間近、卒業制作の出来栄えがどうしても気に入らず、結局、作品を提出しなかったため、当然のごとく留年決定となってしまった今泉。

翌年、何とか『心景』を描き上げ、無事に卒業。心機一転、新たな絵画の世界を求めて、ニューヨークへと旅立ったという、曰く付の卒業制作『心景』である。

さて、今泉が急逝してからというもの、何故か『新宗教』関係の方々が、我が家へ頻繁に電話や訪問をしてくれるようになった。

無下にすることも出来ず、とりあえず、一通りお話を伺ったりする。どの人からも皆同じようなオーラが出ていて、そのオーラから

「あなたを苦しみから救ってあげたい」 

という深い慈愛が、辺り一面に漂っている。

そして皆、自分の『新宗教』を心から信じているので、どの宗教の人も「世界にこれ以上素晴らしいものはない!」という、絶対的な自信を持って熱弁をふるう。

さて、情報というものは、多方面から得なくてはならないと、私は常日頃から思っている人間だ(…単に、大変疑り深い、あるいは捻くれ者(笑)というだけのことだが)

『新宗教』についても、信仰している本人たちではなく、何処にも属さない、しかし冷静にそれらについて(個人的な感情抜きで)概観することの出来る人とも話してみなくては…と、考えていた。

そこへ友人が大変面白い本を見つけてきてくれた。日本の10大新宗教について、客観的に述べてあり、実に分り易く、我が家へ訪れる人たちの心の支えとなっている『新宗教』の発祥から現在に至るまでと、その展望について、ある程度正確に知ることが出来た。

だからと言って、何かが変わったわけでも、変わるわけでもない。『新宗教』を信じる多くの人たちの『心景』を見たような気がするだけだ。

十人十色、それぞれの心の中にある情景は、彼ら自身のものであって誰のものでもない。何を信じようと、個人の自由なのだ。

1979年の今泉の心の情景は、極楽なのだろうか地獄なのだろうか。不思議な重さを持った作品だ。

今の私の心の情景を描くと、一体どんな色になるだろう…

日本の10大新宗教 (幻冬舎新書 し 5-1) Book 日本の10大新宗教 (幻冬舎新書 し 5-1)

著者:島田 裕巳
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

| | コメント (0) | トラックバック (0)