カテゴリー「フトン・ペインティング」の7件の投稿

Crazy Monster ― 牙の微笑み

Futonmon04 『Crazy Monster ― 牙の微笑み』

Futon Painting 225×245×52cm 1992年制作

「シャーッ!!」 って、感じである。

展覧会場を巡りながら、ふと、『牙の微笑み』と目が合うと…

いきなり「シャーッ!!」と、威嚇されてしまうんである。

― まあ、そこが作者の狙いだったりするんであるが……

下顎から突き出す牙が完成したので、助手は芸術家様にお伺いをたてる。

「鋭くていいねぇ~。顎の膨らみ具合もなかなかやねぇ~」

ちょっと褒められたので、「じゃあ、今から上の牙つくりますから」と、言うと

「いや、いや、コレで十分!今から着色するから。こう、ガーって感じで……」

それならば……と、助手は退散。

翌日、作業場を覗くと、上の牙が、『ガーッ』て感じで描かれておりました。

「やっぱ、牙はこうでないとね。ちょっと歯垢が付いた感じがないとね~。鋭いだけじゃね~」

……あ。そうですか。歯垢がお好きだったんですか。

助手は作業場を後にして、空に向って、「シャーッ!!」

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Crazy Monster ― 地球を撫でる right-hand

Futonmon06 『Crazy Monster ― 地球を撫でる right-hand』

Futon Painting 220×178×68cm 1992年制作

バーゲンセールのワゴンに群がる女性たち。

テレビのニュース画面を見ながら、今泉がひと言。

「いいねぇ~。パワーやねぇ~。次のテーマはコレ、人間の狂気でいくかー」

…ということで生まれた作品が『Crazy Monster』シリーズの初作品となったSHOPPING MONSTER』180×560×110㎝ 1991年制作 フトン・ペインティング)だ。

素地はキャンバス地。後期のヘッシャン(麻布)を用いたフトン・ペインティングとは違い、色のりもよく発色も鮮やかで美しい作品である。

しかし、高価でお行儀の良い素地であるキャンバス地からは、偶然から生まれる面白さというものは得られない。

キャンバス地を使うと、作った型紙通りに仕上がっていくので、輪郭を十分に検討してから縫製作業に取り掛からなければ、作家のイメージからかけ離れたものになってしまう。

さて、それを欠点とするか、長所とするかは、作家のみぞ知る…ということで、助手の仕事は、指示通りに仕上げていくことだけである。

「こんな感じだから、こんなの!よろしく」

めちゃくちゃ簡単なラフスケッチを手渡され、呆然とする助手を余所目に、芸術家ご本人様は、若人のエネルギーを吸い取りに、鼻歌交じりに美学生の指導へといそいそ出かけていく。

硬いキャンバス地と格闘しながら、黙々と一日中ミシンをかける。

針がボキボキと折れるたびに、チッと舌打ち。

強引に硬い生地を縫わされるミシンが悲鳴を上げ、発火するんでは?というくらい熱くなり、動きもイマイチ悪くなる。

騙し騙し…只管にミシンをかける、ミシンをかける、ミシンをかける…(イライラ)

夕方、元気に帰宅の芸術家様。

縫いあがった生成りのモンスターを見てひと言。

「えらくキレイに作ったねー。もっとこう、ワイルドな感じが欲しかったなー。優等生すぎてイマイチだなー」

…助手、怒りの爆発秒読み開始…は、いうまでもなくであります щ(゚Д゚щ)カモォォォン!!

今は亡き中島らも氏。大変お気に入りの作家で新刊がとても楽しみだったので、この数年本当に淋しい限り。…しかし、いくらご自分がラリラリ~をお好きでも、猫に幻覚キノコ食わしちゃぁダメっしょ。表紙とかけ離れた内容に、ちょっと怒りを覚えた1冊(・A・)イクナイヨ、ソレ

とらちゃん的日常
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

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Crazy Monster ― 地球を撫でる left-hand

Futonmon05 『Crazy Monster ― 地球を撫でる left-hand』

Futon Painting 225×222×68cm 1992年制作

昨夜、子どもに頼まれ、翌朝のTVアニメの録画予約をしようと、TVのスイッチを入れると…

きょとんとした表情の女の人のアップが、画面いっぱいに映し出されていた。

ショートカットに色白のちょっとふっくらした女の子…という感じ。

素人の回すビデオカメラに向って何かをしゃべっている。

「なんだろ?」

何となく変わった映像だったので、ちょっと音量を上げてみた。

ビデオカメラを回している男性の声がして、女の人に尋ねる。

「昼間、病室で何してる?」

女の人は、ビデオカメラを、どこか危なっかしい感じの遠い目で見つめ、けれども何の迷いもなく答える。

「生きてる」

…なんだか、表情と言葉があまりにも印象的で、これが何の映像なのかわかるまで、しばらくテレビに釘付けになってしまった。

番組は『余命1ヶ月の花嫁』という、ドキュメンタリー番組でした。

23歳という年齢で乳がんに侵され、病魔によって夢いっぱいの未来を奪われてしまうというもので…わたしが最も苦手とする種類の番組でした…(ノ_≦。)

心が痛くなるような「生きてる」の言葉に、ちょっとやられて…(いや、かなり、かな…)

ベッドに入っても寝付けないので、友人にもらった古いミステリー小説を再読。

いつのまにやら寝入っていたらしく、目覚ましの音で飛び起きて、子どもらの世話におわれる。

「生きてる」って、こんな感じ?

だとしたら、わたしは幸せなのだなぁ…

朝っぱらから、子どもにイライラしながら雷落としていても…ね。(^-^;

曲がった蝶番  / [本]

曲がった蝶番 / [本] ジョン・ディクスン・カー 著
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele13 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

 福岡市美術館於 (2002年制作)

ものすごい突風に、駐輪場の自転車が将棋倒しになるのを目撃。

しかし…自分も目を開けておられず、今にも足をとられそうなので、倒れた自転車は見なかったことにして、家路に向って一直線…ヾ(_ _*)ハンセイ・・・

不安定な気候に、どうも身体の調子が思わしくないので、帰宅後は、家でゴロゴロ読書に勤しみ、ネットサーフィンをして気分を紛らわせ…ベッドにもぐって一休み。

ゴロンとしながら、その辺に放置していた新聞に目をやると…

栗本薫さんの訃報をみつけ、唖然。

すい臓がんで闘病生活を送ってらしたとか…享年56歳。

現代においては、若すぎる死だと誰もが思う年齢です。

栗本薫さんを初めて読んだのは、実兄の本箱から拝借した『ぼくらの時代』。

その兄も、白血病でずいぶん昔に亡くなってしまいました。享年32歳。

遺品の形見分けに出向くと、山のように積まれた本が寂しく玄関前の廊下に放置してありました。

誰も引き取り手のない、ただ重いだけの本を、独りで抱えて持ち帰り、それらを時間をかけてゆっくりゆっくり読み解きました。

そこには私の知らない兄の顔がありました。

…遠い昔の話です。

栗本薫さんのご冥福を祈り…合掌。

(最近、合掌ばっかりしてないか、わたし。一体何を目指してるんだか┐(´д`)┌ヤレヤレ)

栗本薫さんは、評論家として中島梓(なかじま・あずさ)の名前でも活躍されていました。わたしは、中島梓名義の本の方が好みだったかな…

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

著者:中島 梓

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

 

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele10_2 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

 福岡県立美術館於 (1993年制作) 

天井からぶら下がった、切断された象の足。

切断部分からドロリと流れる赤い血が印象的な作品だった。

今泉の死後、東京藝術大学時代の恩師である、野見山暁治先生から一通の手紙を頂いた。

なんであんな若さで 足早やに去っていったものでしょう。

仕事はこれからの可能性を感じさせる 荒削りなものであっただけに 今泉さんの死は 本当に間違いであったような気がします。

私は象の足のオブヂェが好きでした。

できるならば 本学でやらしたかった。

ま、こんな希望を 今ごろ愚痴っぽくのべても致し方ない。

なんとしても 元気を持って生きて下さい。

野見山暁治

…なんとしても 元気を持って生きてください

― もう駄目だ。

そんなことを思った日、幾度この言葉に助けられたことだろう。

こんなに力強く、優しい言葉に触れたことはなかった。

いまでも、この言葉に支えられながら、なんとしても元気を持って生きていきたいと、そう思いながら日々を紡いでいる。

まもなく、今泉がいなくなって、5度目の夏がやってくる。

息子、まもなく14歳。

手がひとまわり大きくなった彼の次の目標は、ナザレー。

娘、まもなく11歳。

身体が三倍ほど大きくなった彼女のとりあえずの目標は、母より体重を軽くすること…(;´д`)トホホ…

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele12 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

2000年展示 福岡県立美術館

美術館の床に、切断され赤く染められた『象の頭部』が一対。

天井に向けて鼻を高く上げ、雄叫びを上げる。

15年以上前に制作され、以後、様々な会場で雄叫びを上げ続けた『象の頭部』。

最後の展示は、いつだったろうか…

今泉の死後、遺作整理の際に、小さく折りたたまれて、作業場の倉庫に放置されていた『象の頭部』を発見。

ドロリと溶けて赤黒く固まった『象の頭部』は、まるで本当の肉塊のようで、こわくて手を触れられず、そのまま倉庫の一角に置き去りにしてきてしまった。

ちゃんと供養をしてあげなければ、『象の頭部』は永遠に雄叫びを上げ続けたまま、心安らかに眠る時間をもてないのかなぁ…

そんなことを思っている間にも、時計の針はチクタク動いて…気が付いたら、もう4年。

今泉の遺児たち、血の通った人間の子どもは、若芽をぐんぐん伸ばして成長し、この4年で、すっかり逞しくなった。

後退はしても、前進はしない母を横目で見ながら、この夏、息子は母の背丈けに追いつくでしょう。

嬉しくもアリ、寂しくもアリ。

さて、わたしも、まだまだ頑張らねば。

『象の頭部』に合掌。

プーさんの鼻

著者:俵 万智

プーさんの鼻

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SHOPPING MONSTER

Futonmon01 「SHOPPING MONSTER」

180×560×110㎝ 1991年制作

FUTON Painting―フトン・ペインティング

『誰かに似た人』…ではないけれど。

『誰かに似た作品』

今泉憲治の遺作『ショッピング・モンスター』を見るたびに

「あ、中島らもさんだ」と、少し嬉しくなる。

今夜、すべてのバーで
配信元:電子書店パピレス
提供:@niftyコンテンツ

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