カテゴリー「象の災難 Elephant Accident」の18件の投稿

休眠中

外の陽射しは少し和らいだようですが ただいま 安眠中。

またいつか 目覚めたときに・・・

ちゃお。 

Treekashii02

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ELEPHANT ACCIDENT '98Ⅱ

Ele16 『ELEPHANT ACCIDENT '98Ⅱ』

180×100㎝ 1998年

Bond Work

助手のお仕事時代……の、ちょっとした回想。

基本は忍耐。

芸術家様のこだわりと気まぐれに、どれだけ忍耐強く対応できるか……

というわけで、基本事項の中に『尊敬』の感情が抜け落ちていると、なかなか長続きしないお仕事です(笑)

某年某日の、とある会場での作品搬入の日。

芸術家様の頭の中には、ふくらむふくらむ(無謀な)構想がいっぱい。

― あれをこちらに、これをあちらに……

― 床からの距離をセンチ刻みで正確に。作品の間隔をミリ単位で正確に。

― 水平垂直は基本中の基本。作品のゆがみは空間を乱すと心得て。

……いや、いいのです。芸術家様は何を言っても。助手は言われたとおりに動きます。

「それって、ちょっと、変じゃ~ん。基本、間違ってねえかぁ~(゚Д゚)?」

と、たとえ思ったとしても 

(↑ たとえ…です。あくまでも、たとえ…(||´Д`)o=3=3=3 ゴホゴホ)

決して口には出しません。なぜなら、助手のプロだから。

(↑ 嘘です。本当は、面倒くさいからです。ごめんなさい)

「げ、マジかよ」と、清き心の声が聞こえようとも、言われるがままに迅速に対応。

小さめの作品は、大した労力ではないので、まあ、良しとしましょう。

問題は、大人四人がかりでも、ふうふう言わなければ運べない作品の場合です。

美術館の展示室も、作品も…どちらも傷つけるわけにはいかないので、細心の注意が必要で、心身ともに疲れる搬入となります。

…で、そのバカでかくて、軽く80キロは越える作品を何とか壁面に立て掛け、ふう~っと汗を拭っていると、、、

会場を眺め回して、芸術家様は軽くひと言。

「ああ、あっちの作品と入れ替えたほうががいいな」

……そ、そうですか、、、、一息ついていた助手たちはモゾモゾと動き始め、えんやこらどっこいしょ、と作品を移動させる。

「うーーーん。いまいちだな。やっぱり、最初に戻しましょう」

……そっ、そーーなんですかぁっ!元あった場所に戻すとおっしゃるんですかぁっーー!

段々と無口になっていく助手たちは、それでもモゾモゾと集合して、作品を元の位置に戻す。腕がプルプル震えます。。。頼むから、これ以上もう何も言うなよ、、、という言葉は心の奥深くに飲み込みます(-゛-メ)

さて、芸術家様が暫く会場を眺めていると、事務局からお呼びがかかり、会場を暫し出て行かれることに……で、出て行く際に軽くひと言。

「ああ、この作品、あと1センチ右に寄せといてください」

モヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!

縦2メートル 横3.7メートルの、この作品をですか?1センチ右にずらせと?

芸術様が去った後、助手は皆、背骨から溶けて軟体動物と化しました。

誰一人、動こうとはしないのでした、、、皆の心は哲学の小路へ……1センチの意味を求めて(笑)、、、あったりめぇじゃ!! p(`ε´q)

結局、助手の抜け殻たちがグズグズ放心している間に、芸術家様が戻られ、会場を見てひと言。

「あ。いいじゃない。よし、これでいきましょう」

……って、誰も作品を動かしちゃいねぇーぜ、おい。

しかし、助手は抜け殻からもとの助手に戻り、皆で 「はい o(*^▽^*)o」と、大変良いお返事をして搬入から開放されるのでした。

めちゃめちゃやな……この人、、、とは思うものの、並んだ作品群に元気を貰って、いい気分で搬入の一日を終えるのでした。

さて、今泉の昔々の同僚の声楽家、笠井キミ子先生からリサイタルのお知らせが届きました。

いつもカラフルな衣装に身を包まれた、大変お洒落な先生で、よく展覧会場へ足を運んでくださいました。

笠井先生が作品前に立って鑑賞をしていらっしゃるのを後ろから眺め、今泉がよく、

「笠井先生、作品の一部になってるね」

と、感心していたのを覚えています。

今もお元気で綺麗なソプラノをご披露されていらっしゃるご様子、大変嬉しく思います。

Kasai 笠井キミ子 ソプラノリサイタル

ソプラノ 笠井キミ子

ピアノ 楠本隆一

バレエ 長谷川さくら

2009年12月14日(月) 18:00会場 18:30開演

福岡銀行本店大ホール チケット:3,000(全席自由)

お申し込み・お問い合わせ 

詳しくはこちら→「kasai.pdf」をダウンロード

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ELEPHANT ACCIDENT '98Ⅰ

Ele18 『ELEPHANT ACCIDENT '98Ⅰ』

180×100㎝ 1998年

Bond Work

作品解説→「ele981204.pdf」をダウンロード

9月、新しい季節の始まりに、新しい職に就いた。

11月、次の季節の到来と共に、新しい環境での生活をはじめて、二ヶ月が経過しようとしている。

新しい職場は、組織が大きいこともあり、マニュアルが充実していて、大変に働き易い。

もちろん、マニュアルだけで仕事を覚えられるわけではない。

充実したマニュアルと、それを適切に指示できる指導者 ― この2つが揃えば、あとは臨機応変に、その都度出てきた問題を解決していけば、大抵の仕事はこなすことができる。

しかし環境が変われば、いろいろとストレスも溜まるわけでして……

久しぶりに、友人と落ち合って、ほんの一時間だけの珈琲タイムを過ごし、ちょっとだけ気分転換をすることに。

喫茶店に入ると、アルバイト店員のお兄さんが注文を取りにきたので、温かい飲み物を1杯ずつ注文した。

と、いきなり、

「飲み物は、いつお持ちしますか?」

と聞かれ、二人して、「……(・_・)エッ....?」と、困惑。

「飲み物だけなんで……淹れたらすぐにもってきてもらえば……」

と、モゾモゾ伝えると、お兄さんはバツが悪そうに笑いながら、カウンターへと戻って行った。

「典型的なマニュアル時代の落とし子だなぁ……」

そう思ったので、友人に同意を求めると、

「うーん……。『じゃあ、30秒後にお願いします』とか、『では、一時間後にお願いします』とかって、言えばよかったな~」

と、大変嬉しそうに、いぢわるな返答をする彼女。

大笑いしながら、アナタのそういうとこが好きなんだわさぁ~と思いつつ、次回は是非試してみたいと思ったりする『同じ穴の狢』の友でありました ψ(`∇´)ψ

さて、こちらはお友だちブログ『*アトリエ555発・とびっきりのECO・リメイク!工夫と技』の555さん。

お友だちと呼ぶには、ちょっと恐れ多い、デコパージュの先生です。

Dsc00285 ←以前、先生から頂いた、大変可愛らしい石鹸。

市販の石鹸に、お気に入りの包装紙の絵柄のくまちゃんをデコパージュされたもので、もちろん先生の作品です。

もったいなくて使えない、と思ってしまうのですが、ここが『とびっきりのECO・リメイク!工夫と技』の醍醐味!!

この石鹸、使って小さくなったら、デコパージュした部分を、また別の石鹸に貼り付け、何度でも使うことができるのですshine

Dsc00288 さぞ難しい作業なのだろうと思っていると

「幼稚園児でも制作できます」

という先生の優しいお言葉を頂戴し(笑)、さっそくキッドを購入。

(今回は先生のご好意で、英国で入手された貴重な残り少ない包装紙も分けていただきました。感謝)

作り方は、ほんとにシンプルで、「ああ、これならわたしにでもできるな~」と、ワクワク。

そのうち、今泉の遺作をプリントし、石鹸に閉じ込めようと楽しみにしているところです。

(転職したばかりで、なかなかゆとりの時間が持てず、今はまだ手をつけていない状態ですが……)

今回、デコパージュをしようとして気づいたのは……刻印の押していない良い香りの石鹸って、なかなか売っていないのだなぁ~ということ。ちょっと、気合を入れてお買い物モードで探さないと、土台になるお気に入りの石鹸を入手するのは難しいようですdash

さて、その555先生は……

只今、ドイツのリンブルグにご滞在の模様。

つい先日、海外から、きれいな絵葉書が届きました。

童話のような古い可愛い建物の中を散策しながら、赤頭巾ちゃんの世界を堪能しつつ、感動の溜息の時間を過ごされていらっしゃるようです。

デコパージュってなんだろう?

ちょっとした手習いに楽しんでみたいな~と思われる方は、先生のブログへ遊びに行って見てくださいね。

コメント欄にカキコすれば、いろいろ丁寧に教えてくださいますよー(o^-^o)

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ELEPHANT ACCIDENT ― 無題 もしくは 憤怒

Paint04 『ELEPHANT ACCIDENT 

  ― 無題 もしくは 憤怒』

182×227㎝ 1995年

Mixed Mediums Painting

作品解説→「ele951118.pdf」をダウンロード

― 象は顔面に怒りのシワをよせ、一体、何に憤怒しているのか……

平面制作への回帰を試み、表現することの限界に苦悩し、がむしゃらに制作を続けていた作者には、この作品を制作した当初、タイトルをつけることができなかった。

発表時、『無題』とされた作品は、のちに『憤怒』と命名された。

自分への限界、作品による警鐘などという人間の傲慢さ、乱獲により滅びゆく象の現実……

様々な思いが、憤怒となった。

さて今頃は、あれほど愛情を注ぎ、その成長を楽しみにしていた子どもたちの育児を放棄し、あっけなく早世してしまった自分の不甲斐なさに、あの世で憤怒しているのではないかと思ったりする母である。

身近にいる大切な人が、意外な形で死んでしまったりすると、体調に関して酷く神経質になってしまう。

息子が一週間解熱せず、ひたすら闘病。折りしも学校はインフルエンザが流行中で、学級閉鎖も出始めたばかり。

近所の小さな内科医院で受けたインフルエンザ簡易検査は、陰性。しかし、熱は一週間も続き、動きが取れない状態である。

発熱5日目、不安はピークに達し、別の医院を受診。ここでも、ハッキリした病名はつかず、

「ただの風邪か、状況から考えて、インフルエンザであったが、簡易検査に引っかからなかっただけかもしれないですね。重症化してさえいなければ、まあ、どちらでも良しということでしょう」

というような診断だった。言われるとおりで、問題は重症化しそうな兆候が少しでも見られたときに、どう対応するかなのだろう。

……しかし、訳の分らない長引く病状は、母の心に強烈な疲労を残します。未だ疲れはとれないままに、連休へ突入。

もう誰も、大きな病気や怪我をしませんように……仏壇に合掌しながら、自分を勇気付けるために祈るのでした。(宗教にのめりこむのって、こういうところから始まるのかもなぁ~、、、などと苦笑coldsweats01

さて、闘病中の暗~い我が家に、幸せの宅急便が……『虚構世界ブログ』のお友だちから、可愛らしい贈り物が届きました。

お友だちは、『みのむしの独り言』のboominさん。あみぐるみのプロで、めっちゃ可愛い人形たちを作ってらっしゃいます。

Dsc00279 ←我が家の家族に加わった、いちごニャンコちゃんとワンちゃん、ちびちび仔猫ちゃん、で、美味しそうなスイーツたちです。

いちごニャンコちゃんには、沢山の兄弟たちがいます。boominさんのブログに遊びに行けば、いつでもあえますconfident

さて、boominさんは、母としての大先輩でもあります。自閉症の息子さんを見守りながら、沢山の経験を積んでいらっしゃいます(尊敬!!)

NPO法人かしば手をつなぐ育成会事務局『かしの木』の運営に携わり、子どもたちの成長を温かく見守りながら、悩みを抱える家族の方に、勇気と元気を与えていらっしゃいます。

我が子の病状に、不安でパニックになる未熟な母とは大違い(苦笑 ヾ(_ _*)ハンセイ・・・)

育児でお疲れのお母様方、boominさんのブログに、元気を分けてもらいに行かれてみませんか~happy01

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ELEPHANT ACCIDENT ― moonlit night

Paint03 『ELEPHANT ACCIDENT 

  ― moonlit night』

182×227㎝ 1995年

Mixed Mediums Painting

― 月夜の晩に、象は、何を想って、雄叫びをあげるのか。

当時、立体作品の制作を多く手掛けていた今泉が、ボリュームのつき過ぎた作品たちに、何となく違和感を覚え始め、心機一転、平面への回帰を試みた実験的な作品である。

天に向かって雄叫びをあげる象は、カンバス地に寒冷紗を貼り付け、その上に着色して描かれたものだ。

今泉のアトリエは今も、彼が急逝した当時のまま、何の手も加えられずに、ただそこから本人だけが抜け落ちた、そんな状態で放置されている。

時折、風を通しに出向かねばならないのだが、人間の心理というものは、なかなかどうして面白いもので、「思い出の場所だから……」と、その場所へ足繁く通い、故人を偲ぶことで心の安定をはかる人もいれば、そこに残っている故人の残像が、前向きに生きようとして踏ん張っている心に、大きな動揺を運んでくるため、どうしてもそこへ近づけないという人もいる。

……ということで、アトリエを放置したままのわたしは、当然のごとく、後者の人間である。

今泉がまだ肉体という器を自在に操っていた当時のアトリエは、フランス語の“atelier”の響きとは程遠い、様々な材料が混在する、特殊な実験室のようであった。

4年半という年月を経ても、今なお、アトリエで制作に打ち込む作家の残像は消えず、その場所へと足を運べずにいるのだが、アトリエ横の倉庫の中の作品たちは、秋の日の月夜に向って、苦情の雄叫びをあげているかもしれないな……そんなことを思ったりしている。

さて、ブログという『虚構世界』から飛び出してきた、ブログ友だち“灘浦荘のたかしさん”に続き、今回は『犬の里ケイズドッグ』の経営者、ブログ『黒ラブミック店長のお部屋』からやってきた“ミック父ちゃん”のお話し……です(笑)

初めて、父ちゃんのブログへ遊びに行ったのは、大変簡単な理由から。

とにかく犬の画像が可愛かった!……それだけなのです。 ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

ワンちゃん画像に癒されながら、管理人のミック父ちゃんと交流しているうちに、四国の名産品などを頂くようになりました。

Dsc00270 好物を聞かれて、「薬味です」と、迷わず返答するわたしですから、父ちゃんに貰った酢橘を、毎食のおかず(肉だろうが魚だろうが野菜だろうが、とにかく何でもかんでも)に、絞りかけて美味しくいただいたのは言うまでもありません。

さて、ものすごい酒豪だった今泉とは対照的に、強烈な下戸のわたしは、アルコールを一切取らないので、頂いた『すだち酒』だけは、我が家の小さな仏壇の中に、いまもすっぽり納まっています。

本当は、自分で飲んで、焼香しながら酒の味の報告などできると良かったのだけれど……(;´д`)トホホ… 残念。。。

Dsc00272 そして、愛嬌たっぷりのワンちゃんのヌイグルミくんは、我が家のヌイグルミ指定席に、堂々と鎮座しております。

彼の兄妹は、ミック父ちゃんのお店に沢山いるので、遠く海を渡って里子に出された……というところかなぁ。

父ちゃんは絵心があって、『犬の里ケイズドッグ』の経営の傍ら、いつの日か『画伯』と呼ばれる日を夢見て、絵画作品の制作に勤しんでおられます(……良いのかな、こんなこと書いて~?? ははは、良いか。。。)

Dsc00276 時々、サービスで、『肉球フェチ』の人のために(…って、わたくしですがsweat02)、ワンちゃんの肉球画像など載せてくれますですhappy02

父ちゃん家のワンコ画像に癒されること、しばしば。

我が家には、あいにくペットは居りませんが、可愛いワンちゃんをお探しの方は、専門家、ミック父ちゃんにご相談を……大変丁寧に、「わっしが、ミック父ちゃんじゃー」と、お答えくださいます(≧∇≦)

さて、ミック父ちゃんのお話は、これにておしまい(笑)

お友だち話、次回へ……<続>

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele13 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

 福岡市美術館於 (2002年制作)

ものすごい突風に、駐輪場の自転車が将棋倒しになるのを目撃。

しかし…自分も目を開けておられず、今にも足をとられそうなので、倒れた自転車は見なかったことにして、家路に向って一直線…ヾ(_ _*)ハンセイ・・・

不安定な気候に、どうも身体の調子が思わしくないので、帰宅後は、家でゴロゴロ読書に勤しみ、ネットサーフィンをして気分を紛らわせ…ベッドにもぐって一休み。

ゴロンとしながら、その辺に放置していた新聞に目をやると…

栗本薫さんの訃報をみつけ、唖然。

すい臓がんで闘病生活を送ってらしたとか…享年56歳。

現代においては、若すぎる死だと誰もが思う年齢です。

栗本薫さんを初めて読んだのは、実兄の本箱から拝借した『ぼくらの時代』。

その兄も、白血病でずいぶん昔に亡くなってしまいました。享年32歳。

遺品の形見分けに出向くと、山のように積まれた本が寂しく玄関前の廊下に放置してありました。

誰も引き取り手のない、ただ重いだけの本を、独りで抱えて持ち帰り、それらを時間をかけてゆっくりゆっくり読み解きました。

そこには私の知らない兄の顔がありました。

…遠い昔の話です。

栗本薫さんのご冥福を祈り…合掌。

(最近、合掌ばっかりしてないか、わたし。一体何を目指してるんだか┐(´д`)┌ヤレヤレ)

栗本薫さんは、評論家として中島梓(なかじま・あずさ)の名前でも活躍されていました。わたしは、中島梓名義の本の方が好みだったかな…

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

著者:中島 梓

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

 

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele10_2 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

 福岡県立美術館於 (1993年制作) 

天井からぶら下がった、切断された象の足。

切断部分からドロリと流れる赤い血が印象的な作品だった。

今泉の死後、東京藝術大学時代の恩師である、野見山暁治先生から一通の手紙を頂いた。

なんであんな若さで 足早やに去っていったものでしょう。

仕事はこれからの可能性を感じさせる 荒削りなものであっただけに 今泉さんの死は 本当に間違いであったような気がします。

私は象の足のオブヂェが好きでした。

できるならば 本学でやらしたかった。

ま、こんな希望を 今ごろ愚痴っぽくのべても致し方ない。

なんとしても 元気を持って生きて下さい。

野見山暁治

…なんとしても 元気を持って生きてください

― もう駄目だ。

そんなことを思った日、幾度この言葉に助けられたことだろう。

こんなに力強く、優しい言葉に触れたことはなかった。

いまでも、この言葉に支えられながら、なんとしても元気を持って生きていきたいと、そう思いながら日々を紡いでいる。

まもなく、今泉がいなくなって、5度目の夏がやってくる。

息子、まもなく14歳。

手がひとまわり大きくなった彼の次の目標は、ナザレー。

娘、まもなく11歳。

身体が三倍ほど大きくなった彼女のとりあえずの目標は、母より体重を軽くすること…(;´д`)トホホ…

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele12 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

2000年展示 福岡県立美術館

美術館の床に、切断され赤く染められた『象の頭部』が一対。

天井に向けて鼻を高く上げ、雄叫びを上げる。

15年以上前に制作され、以後、様々な会場で雄叫びを上げ続けた『象の頭部』。

最後の展示は、いつだったろうか…

今泉の死後、遺作整理の際に、小さく折りたたまれて、作業場の倉庫に放置されていた『象の頭部』を発見。

ドロリと溶けて赤黒く固まった『象の頭部』は、まるで本当の肉塊のようで、こわくて手を触れられず、そのまま倉庫の一角に置き去りにしてきてしまった。

ちゃんと供養をしてあげなければ、『象の頭部』は永遠に雄叫びを上げ続けたまま、心安らかに眠る時間をもてないのかなぁ…

そんなことを思っている間にも、時計の針はチクタク動いて…気が付いたら、もう4年。

今泉の遺児たち、血の通った人間の子どもは、若芽をぐんぐん伸ばして成長し、この4年で、すっかり逞しくなった。

後退はしても、前進はしない母を横目で見ながら、この夏、息子は母の背丈けに追いつくでしょう。

嬉しくもアリ、寂しくもアリ。

さて、わたしも、まだまだ頑張らねば。

『象の頭部』に合掌。

プーさんの鼻

著者:俵 万智

プーさんの鼻

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Elephant Accident ―陽炎―

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『Elephant Accident ―陽炎―』

F150 アクリル

『多夢』との対決について。

疲労が蓄積されてくると、異常な頻度で、一晩に何本ものドラマを見るように夢を見るようになる。

もちろん睡眠が浅く、熟睡など出来ない。そんな『多夢』の状態が長く続けば、当然、身体が悲鳴をあげ始める。

さて、困った。処方される薬の種類が増えるばかりで、一向に解決しないのだ。

服薬に頼らなければ安眠することも出来ないのかと、自分自身に腹が立ち始める。すると今度は、腹ばかり立てている夢を見るようになってくる。

ある日、担当の医師が言った。

「夢日記を書かれてみてはどうでしょう?」

その日見た夢を、起き抜けに(夢を忘れてしまわない内に)書きとめてみてはどうかというのだ。

「夢を書きとめる事で、夢に肉付けがされ、本人にも分らない夢の(例え一貫性がみられなくても)ストーリーが出来上がり、ストーリーが出来てしまえば、夢は小説を読み終えるように完結することが出来るといわれています」

医師の言葉に、それではちょっと試してみるかと、朝っぱらから、起きると同時に枕元のノートにせっせと夢を記録してみることにした。

『夢』を『言葉』に変換する作業を始めてから約10日ほど経過した頃、突如、夢が完結してしまった。

徐々に夢の回数が減り、睡眠時間が長くなり、ついには全く夢を見ないままに目覚めるようになったのだ。

今でも時々、当時の『夢日記』を読み返したりするのだが、なかなかどうして、怪奇小説家にでもなろうかしらん…という、摩訶不思議なストーリーのものがあったりする。

人間の脳は、なんとも不思議なものだなぁ~と、改めて実感しつつ『多夢』との対決を終えたのでした。

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Elephant Accident 03

Keinanbi 『Elephant Accident 03 EA03-182-Draw』

162×130㎝ 2003年制作

慶南道立美術館コレクション(韓国)

夢を見た。

もう死んでしまった人の、夢を見た。

とても単純な、日常の延長のような、たわいない夢だ。

ごく普通の夕方に、ごく普通に「ただいま」と言いながら、死んだはずの人が、玄関のドアを開けて帰ってくる。

こちらも「お帰りなさい」と答えて、玄関まで迎えに出る。

子供たちが、子犬のように、帰宅した父親にじゃれついている。

帰宅した人も、出迎えた人も、皆がごく普通に幸せで、何事もなかったように、食卓には夕餉の支度がととのっている。

…そして、夢は覚めるのだ。

こういう類の夢が、一番困ってしまう。

なぜなら、ベットの上で、一体今がいつなのか、ここが何処なのか、自分の本当の生活は「あちら側」なのか「こちら側」なのかが、分らなくなってしまうからだ。

脳が完全に目覚めて活動を開始するまで、自分のいるべき場所が分らずに、暫くは身動きが取れない。

両手を握っては閉じ、握っては閉じ、両眼で天井を睨んでは閉じ、睨んでは閉じ…。動作を少しずつ増やしながら「こちら側」が現実であることを確認する。

現実を確認することは、死んでしまった人は、もう二度と、玄関の扉を開けて「こちら側」に帰ってくることはないのだと、改めて思い知らされることでもある。

こういうのが、一番困る、一番苦手な夢だ。

萩尾望都さんの『あぶな坂HOTEL』は、あの世とこの世の間に建つホテルだ。

時々、夢の中で帰ってきては、私を大変困らせるあの人も、ここの住人なのかもしれない。

あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス) Book あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス)

著者:萩尾 望都
販売元:集英社
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