カテゴリー「象の災難 Elephant Accident」の16件の投稿

ELEPHANT ACCIDENT '98Ⅰ

Ele18 『ELEPHANT ACCIDENT '98Ⅰ』

180×100㎝ 1998年

Bond Work

作品解説→「ele981204.pdf」をダウンロード

9月、新しい季節の始まりに、新しい職に就いた。

11月、次の季節の到来と共に、新しい環境での生活をはじめて、二ヶ月が経過しようとしている。

新しい職場は、組織が大きいこともあり、マニュアルが充実していて、大変に働き易い。

もちろん、マニュアルだけで仕事を覚えられるわけではない。

充実したマニュアルと、それを適切に指示できる指導者 ― この2つが揃えば、あとは臨機応変に、その都度出てきた問題を解決していけば、大抵の仕事はこなすことができる。

しかし環境が変われば、いろいろとストレスも溜まるわけでして……

久しぶりに、友人と落ち合って、ほんの一時間だけの珈琲タイムを過ごし、ちょっとだけ気分転換をすることに。

喫茶店に入ると、アルバイト店員のお兄さんが注文を取りにきたので、温かい飲み物を1杯ずつ注文した。

と、いきなり、

「飲み物は、いつお持ちしますか?」

と聞かれ、二人して、「……(・_・)エッ....?」と、困惑。

「飲み物だけなんで……淹れたらすぐにもってきてもらえば……」

と、モゾモゾ伝えると、お兄さんはバツが悪そうに笑いながら、カウンターへと戻って行った。

「典型的なマニュアル時代の落とし子だなぁ……」

そう思ったので、友人に同意を求めると、

「うーん……。『じゃあ、30秒後にお願いします』とか、『では、一時間後にお願いします』とかって、言えばよかったな~」

と、大変嬉しそうに、いぢわるな返答をする彼女。

大笑いしながら、アナタのそういうとこが好きなんだわさぁ~と思いつつ、次回は是非試してみたいと思ったりする『同じ穴の狢』の友でありました ψ(`∇´)ψ

さて、こちらはお友だちブログ『*アトリエ555発・とびっきりのECO・リメイク!工夫と技』の555さん。

お友だちと呼ぶには、ちょっと恐れ多い、デコパージュの先生です。

Dsc00285 ←以前、先生から頂いた、大変可愛らしい石鹸。

市販の石鹸に、お気に入りの包装紙の絵柄のくまちゃんをデコパージュされたもので、もちろん先生の作品です。

もったいなくて使えない、と思ってしまうのですが、ここが『とびっきりのECO・リメイク!工夫と技』の醍醐味!!

この石鹸、使って小さくなったら、デコパージュした部分を、また別の石鹸に貼り付け、何度でも使うことができるのですshine

Dsc00288 さぞ難しい作業なのだろうと思っていると

「幼稚園児でも制作できます」

という先生の優しいお言葉を頂戴し(笑)、さっそくキッドを購入。

(今回は先生のご好意で、英国で入手された貴重な残り少ない包装紙も分けていただきました。感謝)

作り方は、ほんとにシンプルで、「ああ、これならわたしにでもできるな~」と、ワクワク。

そのうち、今泉の遺作をプリントし、石鹸に閉じ込めようと楽しみにしているところです。

(転職したばかりで、なかなかゆとりの時間が持てず、今はまだ手をつけていない状態ですが……)

今回、デコパージュをしようとして気づいたのは……刻印の押していない良い香りの石鹸って、なかなか売っていないのだなぁ~ということ。ちょっと、気合を入れてお買い物モードで探さないと、土台になるお気に入りの石鹸を入手するのは難しいようですdash

さて、その555先生は……

只今、ドイツのリンブルグにご滞在の模様。

つい先日、海外から、きれいな絵葉書が届きました。

童話のような古い可愛い建物の中を散策しながら、赤頭巾ちゃんの世界を堪能しつつ、感動の溜息の時間を過ごされていらっしゃるようです。

デコパージュってなんだろう?

ちょっとした手習いに楽しんでみたいな~と思われる方は、先生のブログへ遊びに行って見てくださいね。

コメント欄にカキコすれば、いろいろ丁寧に教えてくださいますよー(o^-^o)

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ELEPHANT ACCIDENT ― 無題 もしくは 憤怒

Paint04 『ELEPHANT ACCIDENT 

  ― 無題 もしくは 憤怒』

182×227㎝ 1995年

Mixed Mediums Painting

作品解説→「ele951118.pdf」をダウンロード

― 象は顔面に怒りのシワをよせ、一体、何に憤怒しているのか……

平面制作への回帰を試み、表現することの限界に苦悩し、がむしゃらに制作を続けていた作者には、この作品を制作した当初、タイトルをつけることができなかった。

発表時、『無題』とされた作品は、のちに『憤怒』と命名された。

自分への限界、作品による警鐘などという人間の傲慢さ、乱獲により滅びゆく象の現実……

様々な思いが、憤怒となった。

さて今頃は、あれほど愛情を注ぎ、その成長を楽しみにしていた子どもたちの育児を放棄し、あっけなく早世してしまった自分の不甲斐なさに、あの世で憤怒しているのではないかと思ったりする母である。

身近にいる大切な人が、意外な形で死んでしまったりすると、体調に関して酷く神経質になってしまう。

息子が一週間解熱せず、ひたすら闘病。折りしも学校はインフルエンザが流行中で、学級閉鎖も出始めたばかり。

近所の小さな内科医院で受けたインフルエンザ簡易検査は、陰性。しかし、熱は一週間も続き、動きが取れない状態である。

発熱5日目、不安はピークに達し、別の医院を受診。ここでも、ハッキリした病名はつかず、

「ただの風邪か、状況から考えて、インフルエンザであったが、簡易検査に引っかからなかっただけかもしれないですね。重症化してさえいなければ、まあ、どちらでも良しということでしょう」

というような診断だった。言われるとおりで、問題は重症化しそうな兆候が少しでも見られたときに、どう対応するかなのだろう。

……しかし、訳の分らない長引く病状は、母の心に強烈な疲労を残します。未だ疲れはとれないままに、連休へ突入。

もう誰も、大きな病気や怪我をしませんように……仏壇に合掌しながら、自分を勇気付けるために祈るのでした。(宗教にのめりこむのって、こういうところから始まるのかもなぁ~、、、などと苦笑coldsweats01

さて、闘病中の暗~い我が家に、幸せの宅急便が……『虚構世界ブログ』のお友だちから、可愛らしい贈り物が届きました。

お友だちは、『みのむしの独り言』のboominさん。あみぐるみのプロで、めっちゃ可愛い人形たちを作ってらっしゃいます。

Dsc00279 ←我が家の家族に加わった、いちごニャンコちゃんとワンちゃん、ちびちび仔猫ちゃん、で、美味しそうなスイーツたちです。

いちごニャンコちゃんには、沢山の兄弟たちがいます。boominさんのブログに遊びに行けば、いつでもあえますconfident

さて、boominさんは、母としての大先輩でもあります。自閉症の息子さんを見守りながら、沢山の経験を積んでいらっしゃいます(尊敬!!)

NPO法人かしば手をつなぐ育成会事務局『かしの木』の運営に携わり、子どもたちの成長を温かく見守りながら、悩みを抱える家族の方に、勇気と元気を与えていらっしゃいます。

我が子の病状に、不安でパニックになる未熟な母とは大違い(苦笑 ヾ(_ _*)ハンセイ・・・)

育児でお疲れのお母様方、boominさんのブログに、元気を分けてもらいに行かれてみませんか~happy01

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ELEPHANT ACCIDENT ― moonlit night

Paint03 『ELEPHANT ACCIDENT 

  ― moonlit night』

182×227㎝ 1995年

Mixed Mediums Painting

― 月夜の晩に、象は、何を想って、雄叫びをあげるのか。

当時、立体作品の制作を多く手掛けていた今泉が、ボリュームのつき過ぎた作品たちに、何となく違和感を覚え始め、心機一転、平面への回帰を試みた実験的な作品である。

天に向かって雄叫びをあげる象は、カンバス地に寒冷紗を貼り付け、その上に着色して描かれたものだ。

今泉のアトリエは今も、彼が急逝した当時のまま、何の手も加えられずに、ただそこから本人だけが抜け落ちた、そんな状態で放置されている。

時折、風を通しに出向かねばならないのだが、人間の心理というものは、なかなかどうして面白いもので、「思い出の場所だから……」と、その場所へ足繁く通い、故人を偲ぶことで心の安定をはかる人もいれば、そこに残っている故人の残像が、前向きに生きようとして踏ん張っている心に、大きな動揺を運んでくるため、どうしてもそこへ近づけないという人もいる。

……ということで、アトリエを放置したままのわたしは、当然のごとく、後者の人間である。

今泉がまだ肉体という器を自在に操っていた当時のアトリエは、フランス語の“atelier”の響きとは程遠い、様々な材料が混在する、特殊な実験室のようであった。

4年半という年月を経ても、今なお、アトリエで制作に打ち込む作家の残像は消えず、その場所へと足を運べずにいるのだが、アトリエ横の倉庫の中の作品たちは、秋の日の月夜に向って、苦情の雄叫びをあげているかもしれないな……そんなことを思ったりしている。

さて、ブログという『虚構世界』から飛び出してきた、ブログ友だち“灘浦荘のたかしさん”に続き、今回は『犬の里ケイズドッグ』の経営者、ブログ『黒ラブミック店長のお部屋』からやってきた“ミック父ちゃん”のお話し……です(笑)

初めて、父ちゃんのブログへ遊びに行ったのは、大変簡単な理由から。

とにかく犬の画像が可愛かった!……それだけなのです。 ヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ

ワンちゃん画像に癒されながら、管理人のミック父ちゃんと交流しているうちに、四国の名産品などを頂くようになりました。

Dsc00270 好物を聞かれて、「薬味です」と、迷わず返答するわたしですから、父ちゃんに貰った酢橘を、毎食のおかず(肉だろうが魚だろうが野菜だろうが、とにかく何でもかんでも)に、絞りかけて美味しくいただいたのは言うまでもありません。

さて、ものすごい酒豪だった今泉とは対照的に、強烈な下戸のわたしは、アルコールを一切取らないので、頂いた『すだち酒』だけは、我が家の小さな仏壇の中に、いまもすっぽり納まっています。

本当は、自分で飲んで、焼香しながら酒の味の報告などできると良かったのだけれど……(;´д`)トホホ… 残念。。。

Dsc00272 そして、愛嬌たっぷりのワンちゃんのヌイグルミくんは、我が家のヌイグルミ指定席に、堂々と鎮座しております。

彼の兄妹は、ミック父ちゃんのお店に沢山いるので、遠く海を渡って里子に出された……というところかなぁ。

父ちゃんは絵心があって、『犬の里ケイズドッグ』の経営の傍ら、いつの日か『画伯』と呼ばれる日を夢見て、絵画作品の制作に勤しんでおられます(……良いのかな、こんなこと書いて~?? ははは、良いか。。。)

Dsc00276 時々、サービスで、『肉球フェチ』の人のために(…って、わたくしですがsweat02)、ワンちゃんの肉球画像など載せてくれますですhappy02

父ちゃん家のワンコ画像に癒されること、しばしば。

我が家には、あいにくペットは居りませんが、可愛いワンちゃんをお探しの方は、専門家、ミック父ちゃんにご相談を……大変丁寧に、「わっしが、ミック父ちゃんじゃー」と、お答えくださいます(≧∇≦)

さて、ミック父ちゃんのお話は、これにておしまい(笑)

お友だち話、次回へ……<続>

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele13 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

 福岡市美術館於 (2002年制作)

ものすごい突風に、駐輪場の自転車が将棋倒しになるのを目撃。

しかし…自分も目を開けておられず、今にも足をとられそうなので、倒れた自転車は見なかったことにして、家路に向って一直線…ヾ(_ _*)ハンセイ・・・

不安定な気候に、どうも身体の調子が思わしくないので、帰宅後は、家でゴロゴロ読書に勤しみ、ネットサーフィンをして気分を紛らわせ…ベッドにもぐって一休み。

ゴロンとしながら、その辺に放置していた新聞に目をやると…

栗本薫さんの訃報をみつけ、唖然。

すい臓がんで闘病生活を送ってらしたとか…享年56歳。

現代においては、若すぎる死だと誰もが思う年齢です。

栗本薫さんを初めて読んだのは、実兄の本箱から拝借した『ぼくらの時代』。

その兄も、白血病でずいぶん昔に亡くなってしまいました。享年32歳。

遺品の形見分けに出向くと、山のように積まれた本が寂しく玄関前の廊下に放置してありました。

誰も引き取り手のない、ただ重いだけの本を、独りで抱えて持ち帰り、それらを時間をかけてゆっくりゆっくり読み解きました。

そこには私の知らない兄の顔がありました。

…遠い昔の話です。

栗本薫さんのご冥福を祈り…合掌。

(最近、合掌ばっかりしてないか、わたし。一体何を目指してるんだか┐(´д`)┌ヤレヤレ)

栗本薫さんは、評論家として中島梓(なかじま・あずさ)の名前でも活躍されていました。わたしは、中島梓名義の本の方が好みだったかな…

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

著者:中島 梓

ガン病棟のピーターラビット (ポプラ文庫)

 

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele10_2 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

 福岡県立美術館於 (1993年制作) 

天井からぶら下がった、切断された象の足。

切断部分からドロリと流れる赤い血が印象的な作品だった。

今泉の死後、東京藝術大学時代の恩師である、野見山暁治先生から一通の手紙を頂いた。

なんであんな若さで 足早やに去っていったものでしょう。

仕事はこれからの可能性を感じさせる 荒削りなものであっただけに 今泉さんの死は 本当に間違いであったような気がします。

私は象の足のオブヂェが好きでした。

できるならば 本学でやらしたかった。

ま、こんな希望を 今ごろ愚痴っぽくのべても致し方ない。

なんとしても 元気を持って生きて下さい。

野見山暁治

…なんとしても 元気を持って生きてください

― もう駄目だ。

そんなことを思った日、幾度この言葉に助けられたことだろう。

こんなに力強く、優しい言葉に触れたことはなかった。

いまでも、この言葉に支えられながら、なんとしても元気を持って生きていきたいと、そう思いながら日々を紡いでいる。

まもなく、今泉がいなくなって、5度目の夏がやってくる。

息子、まもなく14歳。

手がひとまわり大きくなった彼の次の目標は、ナザレー。

娘、まもなく11歳。

身体が三倍ほど大きくなった彼女のとりあえずの目標は、母より体重を軽くすること…(;´д`)トホホ…

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ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難

Ele12 「ELEPHANT ACCIDENT ―象の災難」

FUTON Painting Installation

2000年展示 福岡県立美術館

美術館の床に、切断され赤く染められた『象の頭部』が一対。

天井に向けて鼻を高く上げ、雄叫びを上げる。

15年以上前に制作され、以後、様々な会場で雄叫びを上げ続けた『象の頭部』。

最後の展示は、いつだったろうか…

今泉の死後、遺作整理の際に、小さく折りたたまれて、作業場の倉庫に放置されていた『象の頭部』を発見。

ドロリと溶けて赤黒く固まった『象の頭部』は、まるで本当の肉塊のようで、こわくて手を触れられず、そのまま倉庫の一角に置き去りにしてきてしまった。

ちゃんと供養をしてあげなければ、『象の頭部』は永遠に雄叫びを上げ続けたまま、心安らかに眠る時間をもてないのかなぁ…

そんなことを思っている間にも、時計の針はチクタク動いて…気が付いたら、もう4年。

今泉の遺児たち、血の通った人間の子どもは、若芽をぐんぐん伸ばして成長し、この4年で、すっかり逞しくなった。

後退はしても、前進はしない母を横目で見ながら、この夏、息子は母の背丈けに追いつくでしょう。

嬉しくもアリ、寂しくもアリ。

さて、わたしも、まだまだ頑張らねば。

『象の頭部』に合掌。

プーさんの鼻

著者:俵 万智

プーさんの鼻

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Elephant Accident ―陽炎―

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『Elephant Accident ―陽炎―』

F150 アクリル

『多夢』との対決について。

疲労が蓄積されてくると、異常な頻度で、一晩に何本ものドラマを見るように夢を見るようになる。

もちろん睡眠が浅く、熟睡など出来ない。そんな『多夢』の状態が長く続けば、当然、身体が悲鳴をあげ始める。

さて、困った。処方される薬の種類が増えるばかりで、一向に解決しないのだ。

服薬に頼らなければ安眠することも出来ないのかと、自分自身に腹が立ち始める。すると今度は、腹ばかり立てている夢を見るようになってくる。

ある日、担当の医師が言った。

「夢日記を書かれてみてはどうでしょう?」

その日見た夢を、起き抜けに(夢を忘れてしまわない内に)書きとめてみてはどうかというのだ。

「夢を書きとめる事で、夢に肉付けがされ、本人にも分らない夢の(例え一貫性がみられなくても)ストーリーが出来上がり、ストーリーが出来てしまえば、夢は小説を読み終えるように完結することが出来るといわれています」

医師の言葉に、それではちょっと試してみるかと、朝っぱらから、起きると同時に枕元のノートにせっせと夢を記録してみることにした。

『夢』を『言葉』に変換する作業を始めてから約10日ほど経過した頃、突如、夢が完結してしまった。

徐々に夢の回数が減り、睡眠時間が長くなり、ついには全く夢を見ないままに目覚めるようになったのだ。

今でも時々、当時の『夢日記』を読み返したりするのだが、なかなかどうして、怪奇小説家にでもなろうかしらん…という、摩訶不思議なストーリーのものがあったりする。

人間の脳は、なんとも不思議なものだなぁ~と、改めて実感しつつ『多夢』との対決を終えたのでした。

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Book フロイト1/2 (白泉社文庫)

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Elephant Accident 03

Keinanbi 『Elephant Accident 03 EA03-182-Draw』

162×130㎝ 2003年制作

慶南道立美術館コレクション(韓国)

夢を見た。

もう死んでしまった人の、夢を見た。

とても単純な、日常の延長のような、たわいない夢だ。

ごく普通の夕方に、ごく普通に「ただいま」と言いながら、死んだはずの人が、玄関のドアを開けて帰ってくる。

こちらも「お帰りなさい」と答えて、玄関まで迎えに出る。

子供たちが、子犬のように、帰宅した父親にじゃれついている。

帰宅した人も、出迎えた人も、皆がごく普通に幸せで、何事もなかったように、食卓には夕餉の支度がととのっている。

…そして、夢は覚めるのだ。

こういう類の夢が、一番困ってしまう。

なぜなら、ベットの上で、一体今がいつなのか、ここが何処なのか、自分の本当の生活は「あちら側」なのか「こちら側」なのかが、分らなくなってしまうからだ。

脳が完全に目覚めて活動を開始するまで、自分のいるべき場所が分らずに、暫くは身動きが取れない。

両手を握っては閉じ、握っては閉じ、両眼で天井を睨んでは閉じ、睨んでは閉じ…。動作を少しずつ増やしながら「こちら側」が現実であることを確認する。

現実を確認することは、死んでしまった人は、もう二度と、玄関の扉を開けて「こちら側」に帰ってくることはないのだと、改めて思い知らされることでもある。

こういうのが、一番困る、一番苦手な夢だ。

萩尾望都さんの『あぶな坂HOTEL』は、あの世とこの世の間に建つホテルだ。

時々、夢の中で帰ってきては、私を大変困らせるあの人も、ここの住人なのかもしれない。

あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス) Book あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス)

著者:萩尾 望都
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Elephant Accident ―おふく―

Eleouku 「Elephant Accident ―おふく―」

個人蔵 2003年制作

福岡市動物園 おふく

―  命日 ―

今泉憲治の急逝から三年。

彼と彼の残した作品たちの時間だけが、あの日のまま静止している。

生きて呼吸するものは、時間の波を乗り越えながら、少しずつ形を変えていく。

今日の私は、明日の私ではない。

目には見えないけれど、小さな小さな変化を遂げる。

少しずつ少しずつ、今泉の生きた時間に近付いていく。

そうして、いつか、今泉の生きた時間を越えたとき、そこには何が見えるのだろう。

― 合掌 ―

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Elephant Accident 99

Ele04 「Elephant Accident」

188×127cm 1999年制作

初対面の人を見るとき、何処を見るだろう。

人によって、見る場所が違うのは確かだ。

「やはり、顔ですかね」と言う人が、圧倒的に多いのではないかと思うけれど、顔を構成しているパーツも色々。

瞳の印象が第一だと思う人もいれば、鼻に目がいって仕方がないという人もいるだろう。

眉毛の形やほくろの位置…そういうものが気になって仕方ない人もいるだろうし、ぼんやりとした雰囲気だけしか捉えずに、好感や不快感を抱く人もいるだろう。

人やモノに対する印象というのは、個人の主観が全てなので、正確に言葉で第三者に伝えるのは難しい。

今泉の描く生物たちは、意図的にデフォルメされた作品が多いと思われがちだが、実のところ、画家本人には、モチーフの全てがカンバスに描かれた通りに見えていたのである。

…ということで、今泉が見ていた「象」は、とーっても変わった形姿の生き物だったようだ。

妹尾河童氏が、彼の主観で覗いたヨーロッパやインド。人が覗いたものを見るというのは、実に楽しいものですね。

愛する友人の本箱より拝借の一冊。これまた、彼女を形作っている何かを覗いたようで、他人の本箱というのは、実に実に楽しいですね。

Book 河童が覗いたヨーロッパ (新潮文庫)

著者:妹尾 河童
販売元:新潮社
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Elephant Accident 85

Ele02 「ELEPHANT ACCIDENT 85]

145.5×122.5cm 1985年制作

福岡市美術館コレクション

文化、色々…。子供時代、漫画は隠れて読むものだった。

漫画は勉強の敵だと、両親が強固な教育方針を持ち、家庭から徹底的に漫画を排除していたからである。

書架に並ぶ『世界文学全集』『日本文学全集』『百科事典』の重量だけが自慢?と言いたくなるような本の数々。

「さあ、好きなだけ読みなさい」と、大変ご親切な限りであった。

小学生の頃、初めて知った漫画の面白さは、手塚治虫氏の『ブラックジャック』だった。

夢中で読んだのは、はるき悦巳氏の『じゃりン子チエ』

漫画の入手先は、その当時の英語の家庭教師だった先生の本箱である。

勉強の終わりに一冊拝借し、翌週に返して、また新たに拝借。いうに及ばず、先生が大好きだった。

実兄は、この頃の『ブラックジャック』の感動が尾を引いて、大人になって医者になった。

隠れて読むものだった漫画が、今や日本を代表する「文化」と呼ばれるものになった。

なんともはや…不思議なもんです。

あずま きよひこ『よつばと!』英語版。

小学生でも読め(笑え)ます。もちろん、脳が退化気味の私目でも…ふふふ。

Yotsuba&!: Volume 3 Yotsuba&!: Volume 3

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Elephant Accident85-The Rear

Sibiele02 「Elephant Accident-The Rear」

227.3×181.3cm Releif Painting

福岡市美術館コレクション

精神活動から生み出されるもの、文化。

芸術であれ、文学であれ、学問であれ…如何にして守り、後世に残していくか。

その役目を担うものの一つとして、芸術には美術館が存在する。

そして、文学には『文学館』が存在するのである。

毎日新聞東京本社の編集委員である重里徹也氏が、全国各地の文学館の中から、特に魅力的だと感じた15の個人文学館を訪れ、毎日新聞の「日曜くらぶ」で1年半に渡り連載していた記事が、『文学館の旅』として一冊の本になり出版された。

<…改めていうまでもないことですが、このような施設にとって、最も大切なのは「人」です。研究も、情報も、もちろん、愛着も、「人」に蓄積されていくのです>

あとがきで綴られた言葉がとても印象的で、文学館が果たす役割や今後の在り方について、考えるところの大きい本だった。

いつか、その地を訪れてみたいと思う文学館の情報が得られたことや、今まで手に取ることのなかった作家の本を、是非読んでみたいと思うきっかけになったことが、何よりの収穫だった。

文学館への旅 Book 文学館への旅

著者:重里 徹也
販売元:毎日新聞社
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象の災難 2001 2点組み

Sibiele 「ELEPHANT ACCIDENT 01」

250.0×146.0×14.0cm(2点組み) FUTON Painting

福岡市美術館コレクッション

ゾウ! 君たちを取り巻く環境は厳しい。

アフリカゾウもアジアゾウも…

国際自然保護連合が絶滅危惧種に定めているって、知ってた?

ゾウ! 君たちと人間が、いつまでも共存できる仲間であり続けますように。

ゾウ! Book ゾウ!

著者:スティーヴ ブルーム
販売元:ランダムハウス講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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象の災難―鎮魂

Elehamsam  「Elephant Accident―鎮魂」

85×33×20㎝  2002年制作

FUTON Painting (フトン・ペインティング)

「死」にもいろいろな形がある。

自分の死について、常に心にとめ、すぐ側にあるものとして考えることがあるだろうか。

ある日突然、予期せぬ出来事によって、帰らぬ人となる「死」もあれば、肉体という器に期限がつけられ、確実に近付いてくる死の足音に恐怖しながら、いつかは受容せざるをえない「死」もある。

今泉憲治の遺作を観るたびに、奥山貴宏という作家の名前を思い出すたびに

今を生きるということと、その先に必ず待っている死について、真摯に考えずにはいられない。

ヴァニシングポイント

ヴァニシングポイント

著者:奥山 貴宏

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象の災難 2003

Kenbipaintele 「Elephant Accident―象の災難」

235.0×187.0㎝ 2003年制作

福岡県立美術館コレクション

今泉憲治は「もし人間以外のものになれるなら、象になりたい」と言い、その姿を追い続け「生への憧れのイメージ」として、カンバスに閉じ込めてきた。

恩田陸は「象って怖いですよね」と言い、その姿を「恐怖や死のイメージ」として、言葉の中に閉じ込めている。

古くは「きさ」と呼ばれ、人間と共に様々な時代を生き抜いてきた「象」。

その摩訶不思議な動物に対して抱く感情は、十人十色のようだ。

41ncmz0k13l_aa240_象と耳鳴り―推理小説 (祥伝社文庫)

著者:恩田 陸

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象の災難 2002

Ajibiele 「Elephant Accident―象の災難」

in AJIBI HALL(福岡アジア美術館ホール) 2002年制作

FUTON Painting(フトン・ペインティング)

1984年。村上春樹の世界において、象は<象工場>でつくられ、主人公『僕』の手によって水増しされながら、その個体数を維持していた。

2002年。今泉憲治の世界において、象は人間に狩られ追い立てられながら、消滅へのカウントダウンを始めた。

そして…2007年現在。象は様々な災難に見舞われながらも、今のところまだ地球上に存在し、愛すべき動物として人間と共存している。

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991 Book 「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

著者:村上 春樹
販売元:新潮社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

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